BJT増幅回路の原理
今週の実験
「BJT増幅回路の原理」を勉強します。
BJTのベース電圧の小さい変化に対してコレクタ電圧が大きく変化することを観測し、電圧増幅の原理を学びます。
実験方法
1,図のとおりに接続します。
2,VRを調整してベース電圧VBを0.59V~0.79Vの間に変化させてコレクタ電流Vcを測定します。
3,図1のRcを100Ωから1kΩに替えて、上記の実験2と同様の手順でVcを測定します。
4,実験方法2と3の測定データを図にプロットします。
5,電圧増幅率が最大となるVB値を求めて、そのときの増幅率を算出します。
実験結果
2,3,5の結果を下記に示します。
4、プロット図を下記に示します。
考察
BJTのベース電圧が0.65V近くの狭い電圧範囲でコレクタ電圧が大きく変化します。
コレクタ電圧が大きく変化する点近くで動作するように回路の抵抗値を定めると、増幅回路が形成されます。
これが動作点の設定です。
ただし負荷抵抗RLの値によって動作点が異なり、トランジスタの電流増幅率によっても動作点が異なってしまいます。
[今週の実験部品]
バイポーラトランジスタ
バイポーラトランジスタとは、トランジスタの一種で、半導体のpn接合によって構成されたトランジスタのことです。
一般的に「トランジスタ」といえばバイポーラトランジスタを指していることも多いです。
バイポーラトランジスタには3つの端子が付いており、それぞれベース、コレクタ、エミッタと呼ばれています。
ベースに電流(ベース電流)を流し、電圧を加えると、コレクタにはベース電流の10倍~100倍程度の電流(コレクタ電流)が流れます。
この性質を利用して電流を制御することができます。
バイポーラトランジスタは、電流の効率的な増幅が可能で、生産コストも安価に抑えることができる。そのため多様な用途において電子素子として利用されています。
バイポーラトランジスタはpn接合の構造によってnpn型とpnp型に分けられる。npn型とpnp型では電流の流れる方向が逆になります。
なお、バイポーラトランジスタは電子と正孔の2種類をキャリアとして持つため、バイ(2)の名がついている。これに対して電界効果トランジスタ(FET)は、電子か正孔のいずれか1種類だけを扱うので、ユニ(1)を意味する「ユニポーラトランジスタ」とも呼ばれています。