CR回路で信号の遅延
今週の実験
「CR回路で信号が遅れる」事を勉強します。
信号発生器からCR回路に正弦波入力したときのコンデンサCの電圧の変化を理解します。
実験方法
1,図のとおりに抵抗R(1KΩ)とC1(1μF)を接続します。
2,図の①にオスロスコープのC1に②をC2に接続して信号の入出力の波形を観測します。
3,信号発生器の周波数を500Hzにし、波形を観測します。
4,周波数が1000Hz以上にして波形を観測します。
5,周波数を100Hz以下に下げて波形を観測します。
(周波数が低いので、オシロスコープのTIMEスイッチをS側に倒します。)
実験結果
実験結果を以下に示します。
3,周波数500Hz時のオシロスコープ波形
C2(出力信号)の振幅がC1(入力信号)より小さくなり、
C1の信号の右側にC2の信号が表示されました。(波形が遅れました。)
4,周波数1000Hz時のオシロスコープ波形
3の500hz時よりもC2の振幅が小さくなり、より波形が遅れました。
5,周波数50Hz時のオシロスコープ波形
C2(出力信号)とC1(入力信号)の差がほとんどありません。
考察
実験方法3,4の出力信号が入力信号に比べ信号が遅れてるのは、信号発生器からの電圧がコンデンサCに伝わるとき、抵抗Rによって電流が制限され、コンデンサCに電荷が蓄積されるので遅れて、コンデンサCの電圧の立ち上げが遅れてしまうからです。
また振幅が小さくなる(電圧が小さくなる)のは、コンデンサに十分な電荷が蓄えられる前に①の電圧が下がり、それ以上コンデンサの電圧が上がらない為です。
50Hz信号の周波数が低くければ低いほどC1(入力信号)とC2(出力信号)の電圧の低下や信号の遅れの差はなくなります。
今回のCR回路のように、低周波数で入力と同じ波形が得られ、高周波数になると出力電圧が小さくなる回路をローパスフィルター回路といいます。