明るさの違いを検出する
今週の実験
「明るさの違いを検出する」
光を検出するCdSフォトセルを2個使用し、2か所の光の強度の微妙な差を検出します。
実験方法
1,接続図の通り回路を接続します。
2,オペアンプのIN+、IN-入力端子にそれぞれに接続したフォトセルA、B
にA、B順番に光が当たらない様にした時(指で表面を隠す)に
オペアンプ出力に接続したLED1,2がどのように光るかを観測します。
実験結果
①Aに光を当たらない様にした時(Bの方が明るい場合)
オペアンプの出力電圧が1V以下になり、LED2が点灯しました。
②Bに光を当たらない様にした時(Aの方が明るい場合)
オペアンプの出力電圧が3V以上になり、LED1が点灯しました。
考察
CdSフォトセルは光が強いと抵抗が小さくなる特性があり、
AがBより明るいとIN-の電圧が低くなり、出力電圧が4V以上に上がり、LED1が点灯します。
逆にBがAより明るいと出力が1V以下に下がり、LED2が点灯します。
[今週の部材]
CdSフォトセル MI527
硫化カドミウム (CdS) セルは、当たる光の量に従って抵抗値が変化する CdS の性質を利用しています。
セルに当たる光が多ければ、抵抗値は低くなります。
シンプルな CdS セルでも、受光部が明るい時に約600Ω、暗い時に1~2MΩと、抵抗値の変化幅が広いです。
さらに、赤外線や可視光線や紫外線など、広範囲の波長の光に反応します。街灯を自動的にオン・オフさせるスイッチとしてよく使われています。
熱追尾ミサイルで目標を探知するのに使われたこともあります。
カドミウムはRoHS指令の規制対象元素のため、2006年7月以降欧州連合に出荷する電気電子製品に使用できなくなっています。
CdSセルは、いわゆる容量性や誘導性を持たない純抵抗で周波数による特性変化が無く、無極性であり、耐電圧が比較的高く、電流電圧特性が比例的である(オーミックである)等の性質があります。
このため、利用が簡便であるという特徴は他の光センサ類には無いものであり、簡単な代替は現在のところ無い様です。