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第1回:IC(集積回路)の分類について①

第1回目は「IC(集積回路)の分類」についてのひとり言です。

半導体は進化の過程で、多くの分類や名称が生まれてきました。機能の高度化や集積度の向上など、さまざまな方向へ発展した結果、異なる観点での用語が混在し、少し分かりにくく感じられることがあります。
今回はその整理も兼ねて“ひとり言”としてまとめてみようと思います。

ICの分類

■ICについて
IC(Integrated Circuit:集積回路)とは、半導体(主にシリコン)のチップ上にトランジスタや抵抗、コンデンサなどの多くの電子部品を集積し、一体化した電子部品です。
ICは、機能、集積度、構造、実装形態、製造プロセス、用途やパッケージなどさまざまな観点で分類されます。
1つのチップ上にCPUや演算回路、メモリ、デジタル回路、アナログ回路などを搭載すると回路規模が大きくなり、チップサイズも大きくなります。 一方で、製造プロセスの微細化が進むことで、トランジスタなどの素子が小型化され、高速化・高集積化・低消費電力が可能となっています。

ICの設計開発のポイント
回路規模が大きくなると、回路設計や検証は複雑化し、開発期間が長くなる傾向にあります。 開発期間を短くするためには、共通機能をモジュール単位で設計したり、既存の設計資産(IP)を流用したりすることが有効です。
チップ化する前の回路開発段階での回路検証においては検証環境にも依存しますが、シミュレーションの実行時間が短いモジュール単位での検証では、設定値の網羅性や設定等の条件による動作の組合せ検証を実施し、 シミュレーションの実行時間が長くなる回路全体の検証では、各モジュール間の接続やユースケース等の検証を実施するなど検証内容を分けたり、アサーションやカバレッジ取得、各種通信規格のプロトコルチェッカーなどのツールを使用することで検証時間を短縮することができます。

今回は、機能による分類について取り上げます。 その他の分類については、次回以降のひとり言でご紹介します。

<機能による分類>
ICは、主に以下の3つに分類されます。
・デジタルIC
・アナログIC
・混在IC
に分類されます。

■デジタルIC
デジタル回路をチップ上に実現したもので、0(オフ)か1(オン)のデジタル信号を処理します。
トランジスタのスイッチング動作を利用して論理演算やデータ処理、データの記憶・保存、システムの制御などを行います。

デジタルICの設計開発のポイント
デジタルICの設計においては、その実現のためハードウェア記述言語(HDL)や専門ツールを使用してデジタルシステムのデータの流れや保存を抽象的に記述したRTLなどの作成を行い、チェックツールでの記述確認や、要求通りの動作を行うか検証を実施します。

■アナログIC
デジタルICが0と1のデジタル信号を扱うのに対して、連続的に変化する繊細なアナログ信号(なめらかな波形)を扱います。
光・音・温度・圧力などの物理量をアナログ信号として捉えて、アナログ信号をデジタル信号に変換(A/D変換)、また、デジタル信号をアナログ信号に変換(D/A変換)したり、音声信号などを増幅したりノイズ除去をしたり、モーターの駆動制御などの物理制御を行います。

アナログICの設計開発のポイント
アナログICの設計においては、多くの要因を考慮する必要があり、複雑で高度な技術と専門知識が必要とされます。 近年では、ソフトウエアで設計・シミュレーションができるツールで簡略化される動きもあります。

■混在IC
混在ICは、ミックスドシグナルIC、またはデジアナ混載ICと呼ばれます。
デジタル信号処理機能とアナログ信号処理機能の両方を単一の半導体チップ上に統合したものです。
現在の半導体設計では、純粋なアナログのみ、デジタルのみという場合は少なく、多くの分野で混在ICが一般的となっています。
1つのチップにまとめることで、回路規模の削減、機器の小型化、省電力化、高速化が可能となるメリットがありますが、一方で、デジタル回路で発生するノイズによるアナログ回路への影響や、設計の複雑化、コスト、製造プロセスの制約などのデメリットがあります。
システムLSIと混在ICは、どちらも1つの半導体チップ上に複数の機能を集積した技術ですが、システムLSIは、CPUやメモリ、ロジック、必要に応じてアナログを混在したデジタル回路の割合が高いものです。
主な用途はスマートフォンのプロセッサ、デジタルカメラ、家電の制御チップ等があります。
混在ICはアナログ回路とデジタル回路を1つのチップに混在したもので、アナログ信号の増幅・フィルタリング・A-D変換、デジタル処理を同時に実現します。
主な用途はセンサー、オーディオ機器、通信でのアナログ-デジタル変換、パワーマネジメント等があります。

混在ICの設計開発のポイント
システムLSIや混在ICの設計においても、1つの半導体チップ上に複数の機能を集積しているため、チップ化する前の開発段階では機能毎の開発、検証と、1つの半導体チップ状態での機能接続、機能検証に分けることで開発期間の短縮が可能です。

次回:ICの分類について② です

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