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LABO

E-Stationでアクティブフィルタをつくる②

実験室

今回の実験室

今回は、前回作製したオペアンプを用いたLPF(Low Pass Filter)の回路定数を変更し、周波数特性がどのように変化するかを確認します。
特に、カットオフ周波数fcが同じ場合でも、共振の鋭さを示すQ値によって特性がどのように変わるかを理解することを目的とします。この違いを理解することで、用途に応じたフィルタ設計の考え方を身につけることができます。

■実験方法

1.前回ブレッドボード上に作製したLPF回路を使用します。
本回路におけるカットオフ周波数fcと共振の鋭さQは以下の式で表されます。
今回は、①~③のように部品定数を変更しながら、Q値が異なる複数の条件で測定を行います。

図1:LPFの回路
カットオフ周波数、Qの計算式
表1:フィルタ構成部品の定数とfc・Q

2.測定する周波数範囲(例:数十Hz~数十kHz)と測定点を決め、各周波数で電圧を測定します。
周波数は対数的に間隔をとると特性が把握しやすくなります。ただし、カットオフ周波数付近は特性の変化が大きいので、その周波数付近の測定間隔を小さめにするとより特性が把握しやすくなります。

※Q値が0.7以上になる場合、カットオフ周波数付近ではゲインが0dB以上(入力電圧より出力電圧が大きくなる)になります。 これにより、オペアンプの動作電圧範囲を超えると波形がクリップします。
波形がクリップすると正しい測定ができませんので、半固定抵抗VRで入力電圧を調整します。
一方で、入力電圧を小さくしすぎると、測定の精度に影響するダイナミックレンジが小さくなりますので、出力波形がクリップしない程度で適度な大きさに設定します。

3.測定結果をもとにゲインの周波数特性を作成し、その傾向を考察します。

■実験結果

1.以下のようにブレッドボード上に回路を作製しました。

図2:E-Stationへの実装例

2.各周波数において入力電圧 V1 と出力電圧 V2 を測定し、記録します(V1:入力、V2:出力)。   

3.測定結果をもとに、ゲイン(V2/V1)を算出し、周波数特性としてグラフ化しました。

図3:図1のLPFにおいて①②③の部品定数の場合のゲイン周波数特性の比較

■考察

今回の結果より、カットオフ周波数が同じでも、Q値によってフィルタ特性が大きく変化することが確認できました。
Q値を大きくするとカットオフ周波数付近でゲインが増加し、それより高い周波数は急峻に減衰します。この特性をHPFに利用すると、例えばオーディオ回路において必要な低音帯域を強調しつつ、それより低い不要な成分を抑制するような音の調整が可能になります。
一方で、Q値を大きくしすぎると、過渡応答においてオーバーシュートが発生しやすくなり、歪みの原因となる場合があります。(補足参照) また、極端にQ値が高い場合は発振のリスクも高まります。
そのため、Q値は目的に応じて適切に設定する必要があり、高いQ値を扱う場合は部品のばらつきや温度特性(温特)の影響が少ない高精度部品を選定することが重要です。
そのほかに、バタワース、ベッセル、チェビシェフなど、通過域と減衰特性に特徴を持つフィルタ特性があります。興味がある方は、Webなどで多数紹介されていますので、ぜひ確認してみてください。

図4:Q値の違いによる過渡応答波形の変化

■今回の実験部材

フィルムコンデンサ
絶縁体にポリエステルやポリプロピレンなどの薄膜を使用したコンデンサで、低損失かつ高い安定性を特長とします。
構造上、チップ化(表面実装化)が難しいため、MLCCや電解コンデンサに比べて使用機会は減少していますが、特性の安定性が求められる用途では現在でも重要な役割を担っています。
特に、オーディオ回路やフィルタ回路、タイミング回路など、周波数特性や波形品質が重要な用途で多く利用されています。本実験のように、Q値による周波数特性の違いを評価する場合には、損失が少なく安定した特性を持つフィルムコンデンサが適しています。

フィルムコンデンサの写真

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