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E-Station で整流回路(全波)作る

実験室

前回は半波整流回路について考えました。半波整流回路では、反対側に流れる(負の側)電気を流さないようにすることで、交流を直流にしていました。しかし、その方法では負の側の電気を捨てることになり、元々の交流の半分しか使わないことになります。そこで、負の側の電気も使おうと考えられたのが「全波整流回路」です。

半波整流の時と同様、電気の流れをコントロールするのにはダイオードを用います。半波整流では用いたダイオードは1つでしたが、全波整流では4つ用います。そして、図4のように接続します。このように接続した回路を「ダイオードブリッジ」と呼びます。

図4のダイオードブリッジを用いて、構成したのが全波整流回路になります。

では、全波整流回路の動作を見ていきましょう。まずは正弦波の正(+)側の動作です。

①正(+)側の場合はここがスタートになります。

②ここではD4には逆に電流は流れないので、D1に電流が流れます。

③D3にも逆に電流は流れないので、R1に電流が流れます。

④R1には上から下に電流が流れます。

⑤D4のカソード側の電圧は⑤の位置より高くなるため、D4には電流が流れません。この結果、電流はD2に流れます。

⑥以上のルートを通って電流は帰ってきます。

以上の動作より、正(+)側の場合はD3、D4は電気が流れず、動作していないことになります。次は正弦波の負(-)側の動作です。

①負(-)側の場合はここがスタートになります。

②ここではD2には逆に電流は流れないので、D3に電流が流れます。

③D1にも逆に電流は流れないので、R1に電流が流れます。

④R1には上から下に電流が流れます。

⑤D2のカソード側の電圧は⑤の位置より高くなるため、D2には電流が流れません。この結果、電流は D4に流れます。

⑥以上のルートを通って電流は帰ってきます。

以上の動作より、負(-)側の場合はD1、D2は電気が流れず、動作していないことになります。

全波整流回路の正(+)側、負(-)側のそれぞれの動作を見ていきました。どちらの場合も、R1に流れる電流は④に示す通りで同じ方向になり、半波整流で捨てていた負(-)側の電流も用いることができます。但し、各簡略図に示す通り、経路にダイオードが2個存在するため、その分、振幅は小さくなります。

なお、全波整流回路において、入力信号と出力信号の基準電圧(GND)が異なるため、同一画面で表示ができません。このため、今回は2台のE-Stationを使って画面表示しております。

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