E-StationでCMOSイメージセンサの原理を学ぶ②(製作・実験編)
今回の実験室
今回は前回に続き、CMOSイメージセンサ実験の第2回です。前回は実験の設計を行いましたので、今回は実際に製作し動作させてみます。
実験の方法
1.センサ基板の製作
はじめに各素子をはんだ付けする前にセンサボックスに収まるサイズにユニバーサル基板をカットします。
次に、ユニバーサル基板上に図1の回路図に従い、8行x8列になるようにフォトICダイオードと抵抗のはんだ付けを行いました。

センサ基板はセンサボックス内に配置されるため基板上で電圧を測定することが困難です。そこで各測定端をリード線で引き出し、サブ基板に測定端子をA1~H8のように格子状の順番で並べた測定端子としてはんだ付けを行いました。
測定線は64本となるため、今回は複数の線を束ねたフラットケーブルを使用しています。
このようにして図2のようなセンサ基板が完成しました。

2.センサボックスの製作
センサボックスには加工が容易な15cm角の紙製箱を使用しました。 箱の1面の中央に穴を開けて光学レンズを取り付け、さらにレンズと並行になるよう、かつ光学レンズとセンサとの距離が像距離(今回は120mm)となる位置にセンサ基板を固定しました。
この結果、図3のようなセンサボックスが完成しました。

3.評価環境の製作
不要な外光をなるべく避けるため、図4のように大型の段ボール箱の内側に黒シートを貼り付けた簡易的な暗箱を準備しました。

図5のように暗箱の中にセンサボックス、被写体画像、光源を設置します。
被写体画像は、上下左右が対象でない方が実験には適していると考え、今回は「イ」の文字を使用しました。
(1926年に高柳健次郎氏が世界で初めて映像の電子表示に成功した際の文字も「イ」であったことから、そのリスペクトも込めています)

4.測定
いよいよ評価開始です!
まず、光学レンズから被写体までの距離を被写体距離u(今回は600mm)になるように設置します。
フォトICダイオード面には画像が映りませんので結像しているかが分かりません、そこで図6のようにまずはフォトICダイオード面に白い紙を貼り結像するように位置を微調整します。結像したら、白い紙を取り除きます。

次に、E-Stationの5V電源およびGND端子とセンサ基板に接続し、電源供給を行います。その後、E-Stationの電圧計端子でそれぞれの素子端の電圧を計測します。
本実験では、8×8=64個すべてのデータの取得が必要となるため、測定端子に付与したA1~H8までの番号に従い、順番に電圧を測定しています。
その結果、表1の結果が得られました。

5.画像の表示
測定した電圧データをMicrosoft Excelに入力し、以下の式に従って電流値に変換します。
電流値=(電源電圧Vcc―測定電圧)/抵抗値
Excelでは256階調のカラースケール設定が可能なため、今回は電流値の最小値を黒、最大値を白に割り当てたグレースケール表示を行いました。 その結果、図7のような画像を作成することができました。

一見すると「反転したイ」に見えますね。 反転していると視覚的に評価しにくいので、Excel上でさらに反転処理を行います。
※補足
凸レンズ1枚で像を結像させているため、光学的には像は反転するのが正しい挙動です。 今回は電気信号として画像情報を取得しているため、このような反転処理も容易に行えます。

それでも、まだ「なんとなく“イ”に見える」レベルです。
次回はさらに画像品質の改善にチャレンジしていきたいと思います。